指の形はなぜ大切?【ピアノ】

ピアノ経験者の多くがレッスン中に「正しい指の形で」など、指のフォームに関して注意をされたことがあるのではないでしょうか。

「指の形に気を付けて」と言われることは多いけど、そんなに指のフォームって大切なのかな?と気になった方もいるかもしれません。

そこで今回は「なぜ、指の形は丸くしなきゃいけないの?」「うちの子、平べったい指で弾いているけど、大丈夫…?」など、指の形に関する様々な疑問や不安を解消していきたいと思います♪

正しい指の形とは?

正しい指の形

指の形は「手首の高さをある程度保ち、自然な丸みを持って、第一関節の1/3程度の指の平を使って鍵盤を叩く」ことが理想的だと思われます。(もちろん指の形やサイズは個人差があるので、全員が全く同じ形というわけではありません。)

一般的に「指を丸く」「卵を持った(包んだ)ような形で」「指を立てて」などと、表現されることが多いと思います。

正しい指の形を習慣づけることで、演奏姿の見栄えも良く、テクニック面でもよりよい効果が生まれます。

指の形が悪い場合のデメリット

ぺたぺた弾き

習い始めのお子さんがよくしてしまう指のフォームがぺたぺた弾き。
(手首が下がり、指を伸ばしたまま、ぺたぺたと弾いてしまうフォームです。)

まだピアノを弾くことに慣れていない(小学校低学年ぐらいまでのお子様は手が柔らかく、筋力が弱い)ので、ぺたぺた弾きになってしまうのはもちろん仕方がないことです。

しかし、そのままのフォームで弾き続けてしまうと、生徒さんが後々後悔することになってしまいます。

習い始めはぺたぺた弾きでも、曲が優しいので特に支障なく演奏することは出来るのですが….。

段々と曲の難易度がアップし、リズムの早いメロディーや重音、スケールなどが出てくると、途端につまづいてしまうという事が起きてしまいます。

なぜなら、ぺたぺた弾きは指が回りづらく、音が転んでしまうからです。

早いリズムのメロディーは音の粒が揃っていることが大切です。粒が揃わず、音が転び、がくがくしていると心地のよいメロディーではなくなってしまいます。

せっかく難しい曲に挑戦できるようになったのに、ぺたぺた弾きが癖で、思うように弾けないのはとても勿体ないことです。

そのような事態を防ぐ為にも、習い始めから正しい指のフォームで演奏することを心掛け、将来的に問題が出てきてしまうような癖は早めに直すことが大切ですね。

正しい指の形を身に着けるためには?

正しい指の形を習慣づける為には、習い始めから指の形を意識することが重要です。

習い始めは色々と覚えること、初めて挑戦することが多く、指のフォームにまで気にする余裕がないと思いがちです。

しかし、この習い始めこそ指のフォームを身に着ける大切な期間になります。

人間は、何事も一度癖になってしまうと、なかなかその癖を直すことは出来ません。(特に幼少期からし続けていることは、癖になりやすいですよね。)

ピアノの指のフォームも同じことです。間違ったフォームで弾き続けてしまうと、その癖を直す為には膨大な時間と労力が掛かります。

しかし
逆に始めから正しい指の形を癖づけてしまうと、その正しいフォームは崩れることはありません。

では、習い始めのお子様に正しい指の形を習得してもらうには、どのような方法があるのでしょうか?

ボールを使う

まずは、柔らかいボールを使い自然な指の丸みを理解してもらいます。

(ひと昔前は「卵を包むのをイメージして」というような表現をしたかもしれません。しかし、卵だとサイズが小さいですし、そもそもレッスン中に生卵は使用できないですよね。笑)

☆ボールの使い方☆
①ボールに手をのせ、優しく包む
②力を抜く(ボールをぎゅっと潰さない)
③ボールを優しく包んだ鍵盤の上でボールをゴロゴロする(脱力の練習)

上記の手順で自然な指の丸みを体験し、加えて脱力の練習もすることが可能です。

小さなゴムを使う

次は、鍵盤をタッチする場所を理解してもらいます。

第一関節の全てを使って鍵盤を押すと、上記で説明したぺたぺた弾きになってしまいます。

細かいメロディーやスケールが弾きやすくなるフォームは、第一関節の1/3程度を使用するものです。

そのフォームを感覚的に覚えてもらう為に、小さな髪ゴムを使い練習をしてみます。

☆髪ゴムの使い方☆
①指の第一関節にゴムをはめる
②そのゴムが鍵盤に触れないように注意しながら弾く

カラフルな髪ゴムを使うことで、視覚的にも楽しく練習が出来ますね♪


今回は、「正しい指の形」についてお話をしてきました。

お子様に正しい指のフォームを理解してもらうには、口だけの説明では上手くいきません。

様々なアイテムを使い、感覚的に指の形を習得してもらうことが一番の近道だと思います。

始めは、慣れない指の形で戸惑うこともあるかと思いますが、根気よく続けていくうちに正しい指のフォームが癖づいてきます♪

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