ピアノを習うと、必ず覚えなければならないのが「音符」。ピアノは「音符」が読めなければ弾けないといっても過言ではありません。
なぜなら、ピアノを弾くということは「音符を読む(理解する)→その音符を目で追う→正しい指使い、指のフォームで打鍵する」といった一連の動作が出来て、やっとピアノを弾くことが出来るからです。
ピアノは叩けば音が鳴るので、一見簡単そうな楽器に見えますが、そんなことはありません。(笑)
当教室では、その一連の動作を段階的に学び、しっかりと習得することを大切にしています。
大人であれば簡単に出来る動作も、子供達にとっては難しいこともあります。子供の特性を考慮し、レッスンすることで、一歩づつステップアップ出来ることを目標にしています♬
そこで今回は、ピアノを習う上で欠かせない、「読譜」についてお話していきたいと思います。
「うちの子、音符読めるようになるかな….」と不安や疑問をお持ちの親御さまは是非、ご覧ください!
なぜ読譜力は大切なの?
音符(楽譜)を読む力<読譜力>が、なぜ大切なのか。それにはいくつか理由があります。
読譜力が無いと長い曲が演奏しにくくなる
楽譜が読めない子は、どうやって譜読みをしていると思いますか?
個人差はありますが、譜読みの段階から指のポジションや動かし方を覚え(ダンスの振り付けを覚えるように)、楽譜を見ることなく演奏している場合がとても多いです。(耳が良い子は音を頼りにして弾いている子もいます。)
習い始めは、短い(4小節ぐらいの)曲を中心に演奏していくので、音符を覚えて楽譜を見ながら弾くより、指の動かし方で覚えたほうが楽で良い!と思うかもしれません。
しかし、曲の難易度がだんだんと上がってきて、長い曲を演奏していく段階に入った際に、楽譜を見ることなく、指だけを頼りに譜読みをするのはとても無理があります。
ある程度難しい曲が弾けるようになってきたけれど、「やっぱり音符が読めない(苦手)だから、簡単な曲に戻りましょう」というのはとても酷なことで、本人のモチベーションも下がってしまいます。
そのようなことを未然に防ぐ為にも、習い始めから音符を覚えることに重きを置き、楽譜を見て音符を追いかけながら演奏することを習慣づけていくことがとても大切です。
曲の途中から弾けない
レッスンの際に、「○○小節から弾いみて」「楽譜2ページ目の頭から弾いてね」など曲の途中から弾いてもらうことが多々あります。
しかし、楽譜を見る習慣が無い子は、自分がどこのページの何小節目を弾いているかわからないことが多いです。
それに、指の動きと音だけを頼りに曲を弾いているので、音符があまり読めず楽譜を見る習慣も付いておらず….。自宅練習ではいつも最初から最後まで止まることなく通し練習ばかりやっており、楽譜を指さされ「ここの途中から弾いてね」なんて言われてしまうと「え、それはどこ??音はなんて書いてあるんだろ?」と頭にはてなマークがいっぱいで、弾けなくなってしまうというケースがあります。(実際に、私も幼少期そのようなことが何度もありました、トホホ….)
音符が読めないと、楽譜を読む習慣は付きません。
上記のようなことが頻繁に起こると、生徒さんもレッスンを受けるのが嫌になってしまいますので、そのようなことが起こらないように、習い始めから楽譜を見ながら弾くことを習慣にしていきたいですね。
他の楽器にも応用が利く
どの楽器を演奏するにも、楽譜(音符)を読むことは必須です。
特にピアノは音域が広いので、どの楽器より幅広い音域の音符を読むことになります。
その為、ピアノを習っていて、音符を読むことに慣れている方は、他の楽器に挑戦する場合にも応用が利きます。
自宅での練習がしやすくなる
自宅での練習では、隣に先生がいるわけではありません。
では、新しい曲の譜読みをしている時に、音符がわからなかったらどうでしょうか?
親御さんに聞けば教えてくれるかもしれませんが、親御さんもお家でのお仕事があったりと、お子さまの練習に付きっきりでいられることは少ないですよね。
音符が読めることによって自宅での練習もスムーズに、親御さんにお手伝い頂くことなく、取り組むことが出来ます。
音符を読めるようになるには、それなりに時間と努力が必要になってきます。
音符がしっかり読めるようになるまでは、親御さんにお家での読譜の練習をお手伝い頂き、将来的に自宅練習がお子様が一人で取り組むことが出来るよう、ご協力頂けると良いなと思います。
読譜力を鍛えるレッスンとは?
ではどのような練習で読譜力は鍛えることができるのでしょうか?
効率よく確実に音符を覚えるのには、様々な方法があります。
一音づつ丁寧に覚えていく
教室によっては、まとめて一気に音符を覚えていく場合もあるかもしれません。
しかし当教室では、まとめて一気に覚えるということは基本的にしておりません。(ピアノを始める学年によってはまとめて覚える場合もあります)
一音一音、段階的に音符を覚えることで、反射的に音符がわかるようになります。
楽譜を見て、ぱっと音符が理解できるようになると、譜読みもスムーズに行うことができ、自宅での練習もお子様一人で取り組むことが可能です。
音符を覚える順番は基本的に、右左のド(おなかのド)→左手のシ→右手のレ・・・というような順番になります。
カードゲーム等で繰り返し学習する
当教室では、カードゲームやホワイトボードを使い、繰り返し読譜の練習をします。
音符を覚えるのに一番大切なことは、どこの線(位置)に音符が置かれているかをきちんと判断出来ることです。
例:右手のレはト音記号(渦巻きの形)の一番下の線にぶら下がっている音符。
初めて楽譜を見た子供にとって、音符はただ線の上に黒い丸が置かれているだけのものに見えます。この黒い丸が規則的に並んでいることを理解するのには、ある程度時間がかかります。
その為、確実に理解できるまで、しつこいぐらい(笑)繰り返し練習をします!
「先生!もうわかるよ~しつこい~」と言われてしまうかもしれませんが、それぐらいしっかりと覚えることで、反射的に音符がわかるようになります。
ご自宅でも、親御さまにご協力を頂き、音符クイズを何度練習することによって、より早く、そして確実に音符を覚えることが出来ます!
~お家での練習~
・持っている楽譜の音符をランダムに当てて「これなんの音?」と質問。
・楽譜を見ながら右手のドの音だけ探しだすゲーム(音はランダムに変更して)
~ホワイトボードの五線を使った練習~
「右手のミはどこに音符を置けばいいかな?」といったクイズを出し、音符(マグネット)を正しい位置に置く。
~カードを使った練習~
・一枚づつ音を当ててもらう
・沢山のカードの中から特定の音を探しだす
・低い音から高い音まで順番に並べる etc…
楽譜に音名を書かない
音がわからないと楽譜に音名を書きがちですが、それは基本的にしないようにと伝えます。
習い始めの頃から音名を書くことに慣れてしまうと、楽譜を読むことがより一層億劫になってしまいます。
そのようなことを防ぐ為にも、「楽譜には音名を書かない」ということを前提に、譜読みをしていくことを目標にしましょう。
今回は、「読譜力」についてお話をしてきました。
読譜力とピアノの上達度は比例すると言っても過言ではありません。
「ピアノを習う」というと、どうしても「ピアノを弾く」ことだけにフォーカスを当ててしまいますが、ピアノを演奏する前に必ず必要になってくるのは「読譜」です。
長きにわたってピアノを愉しむ為にも、習い始めから読譜を頑張っていきたいですね♪